生涯生活設計プラン

この計画は、現在から老後の生涯にわたる家計の指針を示すものです。計画は、まず強固な安全資産を構築する「第一部」と、65歳以降の具体的な生活をシミュレートする「第二部」で構成されます。


第一部:生活防衛資金の構築

老後生活の根幹を支えるための大規模な安全資産として、65歳までに500万円の生活防衛資金を計画的に構築します。これは、NISAをはじめとする長期的な資産形成計画を、より安定して継続させるための土台となります。

なぜ500万円が必要なのか?(金融危機への備え)

この資金の最大の目的は、老後の資産取り崩し期における金融危機リスクへの備えです。

もし、NISA資産の取り崩しを開始する65歳前後に、リーマンショック級の金融危機が発生し、NISAの評価額が半減するような事態になったとします。その場合、評価額が下がったNISA資産を無理に売却して生活費に充てるのは得策ではありません。

そこで、この500万円の生活防衛資金が活躍します。株価が暴落している間はNISAの取り崩しを一時中断し、この現金を使って3〜5年間の生活費赤字分(年間約56万円 × 5年 = 280万円)を補填します。過去の暴落データを見ると、株価は約3〜5年で元の水準に回復する傾向があるため、その回復を待ってからNISAの取り崩しを再開する、という戦略です。これにより、NISA資産の寿命を大きく延ばすことができます。

目標達成までの計画

貯蓄推移の詳細

時点 予測残高 備考
現在 (2025年9月) 10,000円 スタート地点
2025年12月末 165,000円 冬の賞与が加算
2026年6月末 225,000円 半年間の積立
2026年12月末 350,000円 冬の賞与が加算
... ... (中略)
2038年6月末 4,590,000円 半年間の積立
2038年7月末 4,715,000円 夏の賞与が加算
2038年11月末 (65歳) 4,840,000円 積立終了

第二部:生涯生活プラン(65歳以降)

65歳時点の資産構成

老後生活を支える資産は、以下の3つの要素で構成されます。

資産の種類 金額 役割
公的年金 月々 236,478円
(あなた: 152,142円, 奥様: 84,336円)
日々の生活を支える基本収入
NISA資産 約1,802万円 生活費の不足分を補う、運用を続ける資産
生活防衛資金 約484万円 金融危機に備える最終防衛ライン

生涯プランの二段階構成

フェーズ A:NISA補填期(65歳〜89歳)

この期間は、車やバイクを維持したまま現在の生活水準を継続します。公的年金収入だけでは不足する月々の生活費は、NISA資産を計画的に取り崩すことで補います。

この期間の月次収支(詳細)
項目 金額(月額)
収入 公的年金(夫婦合計) + 236,478円
収入合計 + 236,478円
支出 食費・日用品・妻のお小遣い - 124,000円
光熱費・通信費・サブスク等 - 42,080円
車・バイク関連費用の積立 - 40,000円
お小遣い等の積立(ご主人分) - 30,000円
国民健康保険・介護保険料(推計) - 28,000円
その他保険・税金 - 18,963円
支出合計 - 283,043円
月次収支(赤字額) - 46,565円
行動計画:
毎月約4.7万円の赤字を、NISA資産から計画的に取り崩して補填します。NISA資産の運用益(月々約4.5万円と想定)をわずかに上回る取り崩しとなるため、資産の元本は緩やかに減少しますが、90歳を迎える時点でも十分に資産は残る見込みです。

フェーズ B:年金生活期(90歳以降)

この期間は、車・バイクを処分し、県民共済も終了するため支出が大幅に削減され、公的年金だけで生活が賄えるようになります。

この期間の月次収支(詳細)
項目 金額(月額)
収入 公的年金(夫婦合計) + 236,478円
収入合計 + 236,478円
支出 食費・日用品・妻のお小遣い - 124,000円
光熱費・通信費・サブスク等 - 41,480円
お小遣い等の積立(ご主人分) - 30,000円
国民健康保険・介護保険料(推計) - 28,000円
その他保険・税金 - 10,963円
支出合計(見直し後) - 234,443円
月次収支(黒字額) + 2,035円
行動計画:
この期間では、公的年金収入だけで生活費を賄えるため、NISA資産を取り崩す必要がなくなります。これにより、NISA資産はそのまま運用を続けることができ、さらなる成長も期待できます。

(補足メモ)